*ミーくんの好きなひと*


思い出しただけで顔から火が出そうなほど恥ずかしい。


「どんだけ必死だよあたし」

「ん、なんか言った?」  
 

机に向かってるミーくんが目を上げて、


「んーん、なんでもなーい」
 

私は開いていた携帯を閉じた。
 
ミーくんが勉強してる間はSNSに書き込みをして暇つぶしをする。


「てか、ミーくんて勉強スキだよねー」

「まあ、嫌いじゃないけど」
 

机の上には目が痛くなりそうなほど細かい字の本。
おまけに分厚い。


「これ、人殺せそう……」
 

重くて片手じゃ持ち上げられない。


「凶器にはなるかもな」
 

ははっと笑うと、ミーくんは勉強のときだけかけるメガネを外した。


「ねえミーくん」

「ん?」
 

眉間を指で押さえている彼に擦り寄る。


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