朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「………………いいから」
「……い、いんだ?」
また出た。“いいから”。
ふいっとそっぽを向いた哲が、早く入れ、と背を押した。
「蜜、こっち」
真っ直ぐに連れて行かれた、お風呂。
「手足」
コートを外されて、明るい場所で鏡を見て初めて、自分の肌が、蝋のような白さになっていることに、驚いた。
唇なんか、紫色を通り越して、すっかり白い。
指先も、つま先も、じんじんと痺れたまま。
「やだ、熱い」
「だって、あっためねーと」
シャワーの音が、耳にはとても温かい。
ちょっと指先で触れたけど、まるで熱湯に触ったみたいに、痛かった。
「…ぁ熱っ」
手を引いた私に、無理強いする事はなく、哲はシャワーの温度を下げる。
「このくらい?」
「……ごめ…熱い」
触れないんだ。
哲の手が、熱くて火傷しそうに感じたのは、あまりにも自分の肌が、冷たすぎた、せい。
お湯なんか、触れる訳がない。