てのひらを、ぎゅっと。


………………そこで私は目が覚めた。


隣にいるのは、少し口を開けて、あどけない子供みたいに眠るこうちゃん。


私を大事そうに抱きしめてくれてる腕を見て、自然にふっと頬がゆるむ。


………懐かしい夢だったな。


でも、続きが思い出せないや。


思い出そうとすればするほど、記憶がどんどん薄れていくような気がして。


私は思い出すことをやめ、こうちゃんの背中にぎゅっと抱きついて、また深い深い眠りに落ちた。


< 225 / 465 >

この作品をシェア

pagetop