てのひらを、ぎゅっと。
………………そこで私は目が覚めた。
隣にいるのは、少し口を開けて、あどけない子供みたいに眠るこうちゃん。
私を大事そうに抱きしめてくれてる腕を見て、自然にふっと頬がゆるむ。
………懐かしい夢だったな。
でも、続きが思い出せないや。
思い出そうとすればするほど、記憶がどんどん薄れていくような気がして。
私は思い出すことをやめ、こうちゃんの背中にぎゅっと抱きついて、また深い深い眠りに落ちた。