俺の素顔、知りたい?



連れてこられたのは学食と体育館の間のたまり場。


……ほんとに、人目につかないところだ。



「あんたさ、恭汰と付き合ってんの?」


ついて早々、リーダーらしい女の子が口を開いた。


そんなこと聞くために、わざわざ連れてきたの……?


私はギュッと拳を握って、その女の子を見つめた。



「付き合ってます。私は先輩が」

「よく言うね?そんなこと」


“好き”という言葉は言うことを許されなくて、別の女の子に遮られた。


上履きの色でリーダーらしい女の子は2年生って分かってたけど、

私の言葉を遮ったのは1年生の子だった。



< 346 / 452 >

この作品をシェア

pagetop