魅惑のハニーリップ
「はは。大胆だなぁ。“いっぱい”って」

「もう! 茶化さないで」

「遥ちゃんの唇、また甘いしかわいい。好きだよ」

 プクッと膨らませた私の頬をつまみながら、また宇田さんがやさしくキスをする。

 そんなイタズラっ子のようにハニかむ宇田さんの表情も、真剣に何かを言うときの表情も大好きだ。
 すぐに私を釘付けにしてしまう。
 目が離せなくなってしまう。

 それくらい、私の心はもう宇田さんで溢れてるから。


「あのさぁ……ちょっと謝らないといけないことあるんだ」

 ベッドで寄り添って寝ていると、夜中に宇田さんがポツリと話し始めた。

 ……謝らなきゃいけないことって、なんだろう。
 なんだかまた嫌な予感がしてきて、逞しい宇田さんの胸板にギュっとまとわりついた。

 私は弱いから……
 そんな言葉ひとつで、すぐに不安の渦にのまれてしまう。

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