魅惑のハニーリップ
「佐那子さぁ~ん! おめでとうございます! めっちゃくちゃ綺麗です!」

「うふふ。ふたりとも来てくれてありがとうね」

 私も優子も目をキラキラ輝かせて佐那子さんの傍に歩み寄る。
 こんなに綺麗な花嫁さんが見られるなんて、すごく光栄だ。

「式までもう少し時間があるんだけど、することがなくってね」

「あ、じゃあ今、写真撮ってもいいですか? 遥、これで撮ってよ!」

 優子が持っていたスマホを私に渡し、素早く佐那子さんの隣りに並ぶ。
 何枚かアングルを変えて写真を撮っていたら、控え室の扉が開く音が聞こえた。

「佐那子ぉー。俺、すっげーヒマなんだけど」

 何気にそう言いながら部屋に入ってきたのは……

「え? 恭哉は会社のお偉方に挨拶があるでしょ?」

 そう。本日のもうひとりの主役だ。
 我が社の社長の長男で、佐那子さんと結婚する新郎。

 川原恭哉(かわはら きょうや)くん――

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