魅惑のハニーリップ
「そろそろ準備しないと、次の二次会に遅れちゃうわ」

 そんなふたりのやりとりを笑いを漏らしながら見ていた佐那子さんが、恭哉くんにそう助言する。
 二次会にはもう少し軽めなドレスに着替えてから行くと、佐那子さんは言ってたから。

「じゃあ、遥ちゃんも聖二も後でね!」

 綺麗な笑顔で私と宇田さんに手を振り、佐那子さんは恭哉くんと仲良く並んで控え室へと向かう。

「ふたりはきっと、あのままずーっと仲が良いんでしょうね」

 歩くふたりの後姿を見送りながら、気が付いたらそう呟いていた。

 だって……本当にそう思うのだ。
 何年経っても変わらずに、いつまでも今のまま、ふたりは仲の良い夫婦だと思うから。

「そうだな。ま、俺も佐那子から夫婦喧嘩の相談なんて聞かされたくもないしね」

 隣りで宇田さんも、私と同じように二人の後姿を静かに見送っている。

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