魅惑のハニーリップ
「ひどいです! 本気で心配したのに!」

「はは。ごめん。心配してくれてうれしいよ」

 宇田さんはそっと私の手を繋いで、夜道を再び歩き出す。
 繋がれた手のぬくもりが、私の心まで温かくしてくれた。

「俺だって心配したんだ」

「へ?」

「遥ちゃんが、今日和久井とデートだって聞いて」

「………」

「佐那子が教えてくれた」

 え?! 教えたのは佐那子さん?
 たしかに和久井さんからメッセージが来たとき、佐那子さんとランチをしていたけれど。

「佐那子さんなんですか? てっきり、優子が宇田さんに教えたんだと思ってました」

「いや、佐那子だよ。教えるかどうか迷ったけどって前置きしながら連絡してきた。遥ちゃんの連絡先も書いてきたし、まったく……佐那子らしいよな」

 和久井さんとデートするなとは言わなかった佐那子さんが、まさか直前に宇田さんに教えたりするなんて……
 佐那子さんが和久井さんとのデートをやめるように宇田さんに助言したのだろうか。
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