魅惑のハニーリップ
 出張の日がやってきた。
 あれから宇田さんとは、毎日会社で少し顔を合わせるくらいで、互いにバタバタしていてゆっくり会えないままだった。

 でも、それも仕方ないことだと理解している。
 別に宇田さんは毎晩遊んでるわけではないのだから。

 この出張のために、毎日遅くまで残業していたみたいだ。
 ゆっくり私と会っている時間が取れなかっただけ。

『おはよう。俺はもう現場に着いて、これから仕事。またあとで遥ちゃんの顔見れるね』

 朝、同僚と新幹線に乗って出張先に移動しているとき、宇田さんからメッセージが届いた。
 単純にそれがうれしくて、思わず頬の筋肉が緩む。

 それと同時に、もう着いているということは……
 朝早くに自宅を出たのかと、宇田さんの仕事に対する情熱を痛感した。

 宇田さん……忙しすぎて、体を壊さなきゃいいけれど。

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