魅惑のハニーリップ
 今回の出張先に到着すると、すでに営業部の人が来ていて、せわしなく仕事をこなしていた。
 私たち販促部も到着後、すぐにそのサポートに入る。

「遥ちゃん、おはよう」

 声をかけられて振り向くと、今日も爽やかなスーツに身を包んだ和久井さんがいた。

「おはようございます」

 和久井さんとは、あれから話すのは初めてだ。
 私がデートを断って、カフェを出てしまったあの日から。
 なんとなくやっぱり、気まずい空気が流れそうで構えてしまう。

「販促部も来るって聞いてたけど、遥ちゃんもその一員だったんだね」

 私がどうしようかと気後れしているのをよそに、和久井さんはまるで何事もなかったかのように接してくれた。
 そのおかげで、私もなんとか普通に笑顔で話すことができそう。

 こういうところは、やはり和久井さんは私よりも年上で大人なのだ。
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