魅惑のハニーリップ
「どうしたの? なにがあったか知らないけどさ……宇田さんとケンカでもしたの?」

 和久井さんのやさしい笑みが、私を安心感をくれた。

「誤解なのはわかってるんです」

「……え?」

「今、宇田さんと浅田さんが一緒にいるのを見て……」

 そう。すべては私の誤解なのだろう。
 宇田さんと浅田さんの間に、仕事以外なにもあるわけがないとわかっている。

 疑ってなんかいない。
 宇田さんを信じてるから。

 でも、頭でわかっていても……心は締め付けられるのだ。

 嫉妬って、理屈じゃないのだと思う。

< 96 / 166 >

この作品をシェア

pagetop