魅惑のハニーリップ
「あぁ、なんだ、そのこと?」

「……はい」

「それは遥ちゃんの言うとおり、誤解だ。浅田ね、今日すごく仕事で失敗したんだよ。で、めちゃくちゃへこんで泣いててさ」

 そうか、だからさっきも浅田さんは泣いて落ち込んでいたんだ。

「仕事は宇田さんがフォローしたから大丈夫だったんだけど、本人はひどく気にしてる」

「そうなりますよね」

「うん。今度は浅田を元気づけるのに先輩は苦労してるみたい」

 元気づけているというよりも……慰めている感じがした。

 浅田さんは元から宇田さんが好きなのだから、あんな風に接してこられると、余計に好きになっちゃうと思う。

 浅田さんは宇田さんと同じ営業部で。
 仕事上も私より宇田さんと関わりが深くて。
 普段、私よりも一緒に居る時間が多い……

 そう考えると、どんどん不安が広がっていく。

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