狼系王子とナイショの社内恋愛
最初は、そんな事で特別扱いされてると思いこむなんて、と驚いたけれど。
説明されてるうちに、なんとなく分かるような気がしてきた。
なかなか周りと打ち解けられずに結局ひとりになってしまって。
ずっと寂しさだとか物足りない気持ちを抱えながら過ごしていた時、結城さんみたいな明るくて優しい人に話しかけられたら。
しかも、気にかけてもらったら。
孤独から救い出してくれる王子様みたいに思えてしまうかもしれない。
「他の子と話している時に、その先輩が急に俺たちの前にきて、大智は私のなんだから気軽く話さないでってすごい剣幕で怒ったんです」
結城さんはコーヒーを見つめたままポツリポツリと話す。
「その時からなんかおかしいと思い始めて、その翌日、自分以外の女と目を合わせたりしないで欲しいって言われて、勘違いしてるって確信して。
すぐに、俺と先輩の関係は友達であってそれ以上にはならないって話をしたら大泣きされました」
結城さんは、当時の事を思い出したのか、軽くため息をつく。
口もとは微笑んでいたけれど、眉間にはわずかにシワが寄っていた。