狼系王子とナイショの社内恋愛
顔をしかめながら言う私に、そういえばストーカー行為もあれが初めてですねと結城さんが微笑む。
その笑顔で許されると思ってるなら、世の中を甘く見すぎだ。
後つけられてたなんて聞いて、微笑まれただけで許すとかどうかしてる。
そう思いながらも、こんな風に微笑みかけられるとこれ以上責める気にもならなくて、結局もういいですと白旗を上げてしまう自分が嫌だ。
少し前までの私だったら、こんな事で許したりはしなかったのに。
結城さんへの気持ちが自分の中でいつの間にか変化していて。
色んな場面でそれを実感してしまって、その度に気持ちが大きくなるみたいで……正直、困る。
「前話しましたけど、大学の時の事があってから、ずっと軽い付き合いができそうな女としか付き合ってこなかったんです。
いい子そうだとか、純情そうな子を避けて、遊びなれてそうなやつばかりわざと選んで。
だから、別れる時も結構簡単で……たまにこじれても元々がどういう女か分かってたから、特に傷つけてもどうとも思わなくて。
今思うと非道だったとは思いますけど」
結城さんはそう言って、微笑んでいた顔を少ししかめて俯く。