狼系王子とナイショの社内恋愛
「自分がいい加減だったから、相手もそういうヤツを選んで、そうすればお互い様な気持ちでいたんです。
向こうが見た目だとかそういう上辺の俺しか求めてないのも分かってたし。
だからって傷つけていい言い訳にはなりませんけど、それで相殺した気分でいました」
こんな風に結城さんが自分の事を話してくれるのは、初めてな気がした。
以前、大学の頃の話を聞いた時は私から聞き出したようなものだったから、自分からっていうのは初めてだ。
なんで結城さんが急にこんな話をし出したのかは分からなかったけれど、静かに話す結城さんをじっと見つめる。
「だから、泣いてすがられても可哀想だとも思いませんでした。
なのに、佐々山課長との事で傷ついている高橋さんを見て、なぜか俺も苦しくなって。
自分で驚きました」
頭に浮かぶのは、結城さんの前で泣き出してしまった時の事だった。
確か会社帰り。
路上で泣き出した私を、結城さんは何も言わずに見ていたけれど、結城さんはあの時そんな事を思っていたんだ……。
てっきり、周りの目があるのに我慢できずに泣き出した私に引いているのかと思ってた。
いい大人が何泣き出してるんだって。