狼系王子とナイショの社内恋愛


「大人しくしてていいんですか? 高橋さんが抵抗しないならこのまま襲いますけど」

抵抗しても止まるかは分かりませんけど、と付け足した結城さんが、色気をたっぷり含んだ瞳で私を見つめて近づく。
抵抗しなくちゃ、そう思うのに身体は言う事を聞かずに結城さんの体温を待っていて。

ちぐはぐな思考と身体に、どちらに従えばいいのか分からなくなる。

「あの……今日、部屋にくる前から結城さん、少し様子がおかしかった気がしたんですけど……」

結局言葉になったのは、抵抗ではなく、ずっと感じていた疑問だった。
明らかに今する話ではない疑問を受けて、結城さんは私の首筋に唇を寄せながら、ああ、と静かに答える。

「高橋さんが、佐々山課長と自分の事を、私たちって同じ括りで呼んだのが気になってイライラしてただけです。
さっきも言ったけど、嫉妬ばかりしてるんですよ。
本当に自分でも嫌になるくらいに」

ふっと首のあたりで感じた吐息は、多分結城さんの呆れ笑いだとなんとなく分かった。
今きっと結城さんは、自分に呆れるように笑いながら、眉をわずかに潜めてる。


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