狼系王子とナイショの社内恋愛
「いたって何かいたの? どういう意味……」
さっき、志穂が言った言葉の意味を聞こうと顔を上げて……驚く。
椅子に座ったのが、志穂じゃなく、眼鏡をかけた男の人だったから。
「すみません。そこ、友達の席なんですけど……」
そんなに混み合ってもいないのに相席してくる意味がまず分からないけど、やんわりと注意する。
けどその人は、知ってますと答えた後、持っていたコーヒーをテーブルに置いて、足を組んでしまった。
知ってますって……志穂の席だって分かった上で居座る気?
ああ、もしかしたら志穂に一目ぼれして志穂狙いとか?
ナンパとか、こんなカフェでよくやるな……。
そんな風に思っていた私の考えは、次の一言に見事に破り捨てられる。
「高橋さんの友達が、高橋さんが俺の事をタイプだって言ってるからちょっと話してみてもらえないかって、今そこで声をかけられたんです」
「……は?」
「ちなみに、友達は用事があるからって俺と交代で帰りましたけど」