狼系王子とナイショの社内恋愛
彼が言い終わるや否や、携帯がメールを受信する。
ディスプレイに映し出された名前が志穂だったからすぐに確認して……眩暈を感じた。
志穂からのメールの内容は、私が言っていた通りのタイプの男を見つけたからうまくやってねって事と後日報告の強制。
高校の頃から、志穂はよく言えば天真爛漫で、悪く言えば傍若無人で。
例えば、文化祭とかの準備で誰かが絵の上手い人いないかなぁなんて呟くと、美術部の知らない先輩を普通に連れてきてしまったり。
体育の授業で使うジャージを忘れたなんて言うと、他のクラスの知りもしない人から借りてきてくれたり。
社会人になってから一度行った旅行では、クレンジング忘れたとかで、初めて会った人に温泉で、貸してもらえますか?とか声をかけたり。
何かと、他人と友達との境界線というか、線引きがおかしな子で有名だった。
それは計算とかじゃなくまったくの天然だし、可愛さゆえに許される事がほとんどだったから、気付かないで来てしまったのかもしれないけれど。