狼系王子とナイショの社内恋愛
「俺は確かに恋愛って呼べる事はしてこなかったですけど、だからって代えが利くような相手に気になってるなんて言いませんよ。
高橋さんが真剣に佐々山課長を想っているように、俺だって俺なりに真剣に気になってるって言ったんです」
「でも……」
「俺の気持ちに応えられないとか、さっき言っていたような答えなら分かりますが、いい加減に扱われるのは傷つきます」
「……ごめんなさい」
確かに今のはあんまりだったかもしれない。
結城さんが真剣に言い寄ってきてくれてるなら、その辺で私の代わりを見繕って欲しいなんて失礼だった。
なんで私なんかをだとか疑問はあったけれど、悪い事をしたかもしれないと思ったから素直に謝る。
そんな私に結城さんは困り顔で微笑んだ。
「あの、傷ついたんですか?」
私の言葉なんかで本当に?
「深くじゃないですけどね。
今まで何かを言われてイラっときた事はあったけど、こういうのはなかったから新鮮です」