狼系王子とナイショの社内恋愛


それにしたって、もう気付いているだろうと思ってたのに……。
短大卒業して社会人になってからもう三年経つし、いくらなんでももう直っただろうなーなんていうのは私の甘い考えだった。

学生の頃と違って一緒にいる時間も減ったから今まで気づかなかったけど、それは今も健在なんだって本当にたった今気づいた。

だけど今回ばかりは、可愛いからって許されるレベルじゃないと思う。
その辺を歩いていただけのまったくの他人を、わけもわからない理由で相席に座らせたんだから。

しかも、自分が好みでナンパしたならともかく、私に会わせるためにナンパとか……もう! なんなの、あの子!

志穂へのやり場のない怒りに膝の上で拳を握りしめていたけれど、目の前でコーヒーを飲む男の人に気づいてとりあえず怒りは収める事にする。

しかし、この人も見ず知らずの他人の前でよく呑気にコーヒーなんか飲んでいられるな、なんて思いながら、あの……と声をかける。

眼鏡の奥の瞳がこちらを捕えた瞬間、整った顔立ちにちょっと驚いた。

そういえば、背も高そうだしスラっとしてる。
志穂は本当に私が適当に言った人を連れてきたらしい。


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