狼系王子とナイショの社内恋愛
「友達が変な事を言って連れてこられたみたいですけど、気にしなくて大丈夫ですから。
本当に申し訳ないんですが、タイプだとか言ったのも、友達の勘違いで……」
言っていて、本当に悪く思えてくる。
連れてこられた挙句、タイプじゃないとか失礼にもほどがある。
しかもこの人、カッコいいのに。
でも、他にどうしたらこの場を終わらせられるのか分からないし……。
どうにか、この人の機嫌も損なわずに退散できないか考えていて、ふと男の人の視線に気づいた。
「なんだ、勘違いだったんだ。
高橋さんが俺の事タイプだとか言うから、正直ちょっと嬉しかったんですけど」
本当に少し残念そうに笑う男の人に、なんとなく見おぼえがある気がしてその顔をじっと見つめる。
どこだろう。どこで見たんだろう。
確か、どこかで面識がある気がする。
それにこの人、さっきから私の事、高橋さん高橋さんって自然に名前を……。
そこまで考えたところで、やっとこの人の正体に気づいて驚いた。
「……結城さん?」
びっくりしながら聞いた私に、その人は、そうですけどと頷いた後、眉をしかめる。