こっち向けよ





「だッ……て、………ッ…」



「よしよし…舞?」



気付かない内に私の隣に来て柔らかく抱きしめてくれるママは、撫でる手を止めることなく、私に優しく言い聞かせる。



「あなたはもう、一人のレディーなの。だから、決してその涙を人に見せてはダメよ?見せて良いのは家族であるママとパパ、そして未来の旦那様だけ…。私たちはいつだって舞の味方だからね?」



「わかったか?舞。」



パパもママと私を包み込んでくれた。



「うん、ありがとう…」



すっかり日は高く、町は既に動き出している。



音もなく朝日が昇るように、私は心静かに決意を固めた。





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