こっち向けよ





「強引にこんな事をするような方が、良き社長になれるはずがありません!」



私の首筋にある痣…もといキスマークに重点的に視線が送られている中、パパは言い切った。



静まり返る客間は、自分の心臓の音だけ聞こえる。



…そろそろこれ、仕舞いたいんだけど。



「…そのことなんですがね、」



静寂を破り、異論を唱えようとする老人が背景から浮き出てきた。



「既に鶴見会長には話させていただき、許しを得ております。」



は?



どっちの許し?



しちゃっていいよって?



それとも



仕方がないから無かったことにするよって?



言葉を足してくださいよ。





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