こっち向けよ
「舞ッ!!!」
駆け寄ると玄関のドアを、持たせている合い鍵で開けようとしているところだった。
「しゅう!!」
「ッ!?」
俺の声に反応した舞は振り返るなり、俺の胸に飛び込んだ。
なんだなんだなんなんだどういうことなんだこれは…
舞を抱きしめて良いのか困り、自分の腕を伸ばしたりしなかったりする。
結局肩に手を置いて落ち着く。
「舞?どした?」
優しく語りかける。
「あ、あのね……………ぅ、…ひっく…ごめッ…あの…」
寒さかそれとも別の何かか、舞の体は震えている。
舞は滅多なことじゃないと泣かない。
予想は当たって欲しくないが、もしかしたら時任とははぐれたんじゃねぇのかもな。
「よしよし、とりあえず中入るか」
頭を撫でて優しくあやしながら鍵を開けて家へ入る。
「部屋温めとくからシャワー浴びて来いよ。」
こういう時は一時も離れるべきではないし離れたくないが、冷えすぎだ。
俺の家には舞の着替えが備えてあるから着替えに困ることはないし。
「うんッ…」
風呂へ向かう舞を見送り、リビングの暖房の電源を入れてから、自分は濡れた服を着替えに自室へ向かう。