こっち向けよ






コンセントはリビングの隅にある出窓の近く。



そこまで舞を運ぶのは容易い。



移動の途中でソファの上にあるクッションを指で持ち、舞を降ろすときにそれを下にした。



いつも五月蝿い訳じゃないが、いつも以上に大人しい。



さっき急いで持ってきたドライヤーをコンセントに繋いでスイッチを入れた。



ゴー…っと熱風が舞の髪を揺らす。



それでも窓に強く打ちつける雨は聞こえてくる。



お互い無言で、俺は髪を痛めないよう細心の注意を払いながら乾かした。



舞は窓をジッと見ていた。





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