こっち向けよ





熱風に当てられている髪は乾いてくるにつれて、ふわりと風に揺れるようになってきた。



舞の髪は細くて柔らかくて色素が薄く、俺とは正反対の髪質をしてる。



堂々とこの髪に触れられることが実はとてつもなく嬉しいが、そんな脳天気な奴は今は俺しかいない。



恐らくそばにいる舞だけじゃなく、時任や関根も気分は落ち込んでいるんだろうから…



カチッとスイッチを押すと、ドライヤーの電気は落ちた。



ザー…



雨の音が部屋を包み込む。





< 86 / 226 >

この作品をシェア

pagetop