トイレキッス
困った。
そこまで聞かれるとは予想していなかった。あの舞台発表は、川本ミツキばかりを見ていて、話の筋は、細かくは覚えていない。洋平は口ごもった。
女生徒は、横になった姿勢のまま、さっきから少しも動いていなかった。洋平を無言で見つめていた。
なんだか演劇部に入ろうとした本当の理由を見透かされており、それを責められているような気がしてきた。
「まあ、ええわ」女生徒は、洋平から目をそらした。「明日、顧問の渡辺先生に入部届け出しとき。入部届けの用紙は、先生に言うたらもらえるけん」
「あ、・・・・・・はい」
洋平は、ほっとした。