朱雨に鉛
雨久の顔には穴が空いている。
それは決して赤くもなく、向こうが見えるワケでもなく、髪の毛が数本切れただけの。
左目が黒く丸い、絵の具で潰されたようにドロドロとしていた。
それは実際、吐き気を催すもの。
「っ……気色悪りぃ、テメェ、やっぱ人外かよ。人間やめたやつが、人間気取ってんじゃねーよッ!」
一発、二発、三発。
続けて放たれる弾丸が雨久の体を揺らし、穴をあけていく。
撃たれた箇所はやはり血濡れておらず、真っ黒絵の具のように塗りつぶされた状態。
それでも雨久は笑っている。
「もーう終わりーいっ?僕ちゃんツマンナーイ。どうせ相手してくれるならあ、楽しませてくれないと!
その程度で僕ちゃんと遊びたいなんて、僕ちゃんの時間、返してよーう。
僕ちゃんは能九ちゃーんに早く会いたーいのおーっ。僕ちゃんの邪魔しなーいでよおーう」
血濡れた金属バットがブオンッと音をたててキールに向けられる。
それをまたキールが防ごうとするが…。