エンドロール
「お兄ちゃんが弟いじめたらダメでしょ。」
「おれにはそんな弱虫な弟はいないね。」
「コラ!?キミタカ!?いい加減にしなさい!!」
火灯にさっさと止めに入ってくださいと言わんばかりに脇を肘でせっつかれたが、リンが母親のように叱っているのと子どもの可愛い喧嘩でわざわざ大人が入っていく必要もないだろうと思い、しばらく傍観していた。
「反論もしねぇでメソメソ泣いて女の後ろに庇われているだけの弱虫なんざ弟でもなんでもねぇよ。そんなんだからマキに見捨てられんだよ。」
だけど、キミタカのマキという言葉にオレは片手間のような意識から全集中へと切り替えるかのようにピクリと反応した。
「マキお姉ちゃんはコウのこと見捨ててなんかないわよ。」
「だったらなんで手紙の一つもよこさねぇんだよ。」
確かによくよく考えたらこんな歪な世界で過ごしていたら勘の鋭い子どもなら不信に感じてもおかしくない。
「それは……。」
「ほらみろ。マキも今までのやつら同様外に出たらおれたちのことどころか血の繋がりのあるそこのアホ虫のことも忘れて外の世界でよろしくやってんだよ。」
その瞬間頭の中で警鐘が鳴った。
「おい。それ以上はもうやめとけ。」
ここでは口にするのはタブーとされている話題。
それにこれ以上続けたら自分達は見捨てられたのだと他の子どもにまで伝わって、負の連鎖を生み出しかねない。
たかがケーキの苺盗った盗られたの可愛い喧嘩では済まされなくなってきたので、さすがに止めに割って入った。