エンドロール




「やりたいこともないのに進学したところで意味ないでしょ。」

「別にやりたいことの為に進学する必要はないんだよ。進学して視野を広げながら自分のやりたいことを見つけるっていうやり方もある。お金がないなら奨学金制度だってあるし。」


冗談じゃない。これ以上借金が増えてたまるもんか。やりたいことを見つけるだなんてそんなあやふやな理由だけで進学を選ぶだなんてもってのほかだ。


「なにより、君はテストの成績は突出して良いわけではないけれど頭が良い。」

「赴任してきたばかりなのに知った風なことおっしゃるのですね。」

「一応これでも君より人生経験は豊富だし、色んな人を見てきたからね。頭が良いか悪いかなんてその人の振る舞いを見て、少し話せばわかることだよ。」

「とにかく、進学するつもりはありませんし卒業してからのことは自分で何とかするので心配してくださらなくて結構です。」


「そうはいかない。まだ赴任してきてから一日も経ってないけれど僕は君の担任だ。君を導く責任があるがある。とりあえず、今度お母さんを交えてと三人でちゃんと話そう。」



うちの家庭環境を知らないのか。知っていてあえて言っているのか。

あの人を呼んだところで一体何になるって言うのか。それとも説教でもするつもりか。娘さんの進路のこと一緒に考えてあげてくださいとか。

ありえない。

それにこういうタイプ嫌いだ。自分の業と正義感を他人に押し付けて、人のことに首を突っ込んでくる奴。

きっと学生時代にすごく悪で更生させてくれた当時の教師の意思を継いで、自分もいつか生徒を救いたいとか夢や幻想を描いて教師になったとかそういう類のやつだろう。

ほんと消えればいいのに。




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