「視えるんです」




「半沢ティーチャー、その辺にしてあげたらどうですか」




ニコッと笑う本田先輩。

あぁ、助かった……やっと怖い話が終わる。

って、元はと言えば本田先輩が怖い話をしたせいでもあるけど。
でも今はこうして、半沢先生から私を助けてくれてる。

本当に本田先輩は、いい人だ。




「音楽室に居る幽霊の話より、三階の女子トイレに居る幽霊の話の方が面白いでしょう?」




……前言撤回!!

この人は、悪魔だぁー!!




……その後、チャイムが鳴るまで本田先輩と半沢先生は幽霊の話で盛り上がっていた。

いわゆる、学校の怪談。

音楽室や美術室、トイレや階段の踊り場にある鏡など……耳を塞いでも聞こえてくるイヤな話を延々と聞かされた私は、まるで生気を吸い取られたかのようにぐったりとなった。

……首をへし折る気力も、当然無く。

いや、正確に言えば、本気で折るつもりはなかったけれど。

それくらいイヤだって意味で言ったわけだけども。

……あの二人には私の意思は伝わらず、“フリ”だと思われたまま話をされ……。


……正直もう、死にそうです。


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