「視えるんです」


昔を思い出しているのか、先生は笑う。




「本田は生きたがってる。 意識が無くてもそれが伝わってくるんだ。
そんなもんを見せられたら、もう助けるしかねぇだろ。
もちろん、報酬はきっちり頂いたがな」

「……最後の一言は、余計です」




……でも、先輩は半沢先生が居てくれたからこそ助かった。
そのことは、素直に嬉しい。

……報酬がどうとか言われても、だ。


先輩が生きていてくれることが、嬉しい。




「その後、本田は見る見る回復して、意識不明の重体だったのが1週間で学校に復帰しちまった。
まぁ、左手骨折に左の肋も痛めてたがな。
だから俺、『無理してまた狙われたらどうすんだよ』って、聞いたんだよ。
そしたらアイツ、なんて言ったと思う?」




……なんだろ?
全然わからない。

首を傾げる私に、半沢先生はニヤリと笑う。

思い出し笑い。 いや、照れたような笑顔?
よくわからないけど、先生は笑ってる。




「アイツは俺に言ったんだ。 『先生は……ーー』」




と、言い掛けた時だった。


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