恋愛のやり直し方
残された私は、バカみたいに開いた口を閉じることも忘れて、ただ呆然と立ちつくすしかなかった。



『籠の鳥』



なんてしっくり来る言葉なんだろう。
さすがは人気作家。



今になって初めて、私が結婚した訳をズバリ理解できた気がした。





本能的に求めた『籠』

誰かと交わることもなく、外で危険に晒されることもない。

ただ餌が運ばれてくるのを待っていればいい。




狭い鳥籠の中では自由なのだ。
その世界にさえ疑問を持たなければ、一生をパラダイスで過ごせる。





「そっか………」



ずっと刺さったままだった喉の小骨がとれたみたいに、スッキリする


それと同時に、なぜ失う前に気が付かなかったのだろうと後悔もする。




そしたら、私はまだ籠の中で生き続けていたのかもしれない





でも、現実は失ってしまった。
ならば、私はこれから何を答えとして生きていけば良いのだろう?



新しい籠を見つける?


ううん。結婚はもう懲り懲り。





せっかく長い時間かけて完成させたパズルの余韻に浸る間もなく、新たに何千ピースのパズルを渡された感じだ。


「気が付かなければ良かった……」




的外れな八つ当たりとは知りつつも、友田が恨めしかった。
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