恋愛のやり直し方
友田に指定された場所までは、早いからという理由で、竜くんがタクシーを選択した。



車内でも『楽しみだなぁ』を繰り返す竜くんになんの事だか問うてもダンマリを決め込まれ、私の不安は増す一方だった。








渋滞する大通りを避けて走ってくれたおかげで、タクシーはずいぶん早く目的地に着いた。



パタンと開いたドアから降りると、日差しが刺すように痛い。




アスファルトからの照り返しに息苦しささえ感じる。

だから、ここが何処かなんて確認する余裕なんてなかった。







「さ、行きましょう」



後ろから降りてきた竜くんに背中を押されて前へ出る。


下を向いていた視線を、行き先に向けるとーー




「えっ?ここ?」


「そうですよ。綾さん暑いから早く入りましょう」




「あ……うん。いや……でも……」




無意識に自分の格好をチェックする。


『動きやすい』それ以外に目的の無いラフな格好


竜くんに腕を引かれて、ドアマンの開けてくれた扉をくぐる。


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