恋愛のやり直し方
「あ、はい」



言われるがままシャンプー台に座った。










「お疲れさまでした。お着替えはこちら出なさってくださいね」




「あ……ありがとうございます」







数時間後、全身くまなく施術された私が鏡の前にいた。







「お綺麗ですよ」


戸惑いで言葉が出ない私を見兼ねて、担当してくれた宮地さんがポンと肩に手をのせてそう言ってくれた。




「私じゃないみたい……」



緩く巻かれた髪は、少し明るめのブラウンに染められている。


メイクも普段はしないアイテムばかり。






そして、なにより両手両足の全ての指に施されたネイル。
主張しすぎず、それでいてアクセサリーをつけなくても寂しくならないような明るく謙虚なラインストーン。





「森嶋様の素材が素晴らしかったので、私は楽でしたよ」



「そ……そんな事ないです」



「いえ、本当ですよ。ここまでする必要はないですけど、普段から少し自分に掛ける時間を増やすだけで十分輝ける方です」





なんだか、もう一度聞きたくなるような嬉しい言葉。
いや、レコーダーに録音したい。
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