恋愛のやり直し方
明るい場所から急に暗い所へ入ったため、暗さに慣れない目は、私になんの情報も与えない。




背中を押されて前へ数歩進む。
ドンと足に何かがぶつかった。




「ここ、挨拶するだけの人用の控え室。その人、もう帰ったからここは使われることないの。邪魔も入らないから、ゆっくり楽しもうぜ?」



背後からする声。
未だな何も見えないのがもどかしい。



声の方へ振り向き、身構える。



「そんなに脅えなくても、大人しくしてれば、痛いことしないよ」


「………っ!」


話している内容とは裏腹に、口調は労るように優しい。

それが、なお恐怖を煽る。







「こんな事して、いいわけ無いじゃない。分かってるでしょ?」


これで分かって貰えなかったら絶望的だと、藁にもすがる思いで説得する。





もしダメなら……



嫌な事ばかりが頭を過り、ツーっと冷たい汗が背中を流れる。



< 226 / 548 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop