恋愛のやり直し方
あの時の自分の気持ちが一気に蘇ってきて、胸が掴まれたように痛い。


自分の気持ちを押し殺して、里美さんをここへ連れてきた。
そして、迷わず彼の胸へと飛び込んで行った素直な彼女の後姿が瞼に焼き付いている。




ギリっと唇を噛んで涙を堪える。





「だから、噛みちぎる気?」



いつの間にか私の横まで移動してきていた友田は、そっと私の唇に指をあてる。






「こっちおいで」




床に屈む私の手を取って、ソファーに座らせる。

そして、横に座った友田。





腕が触れ合う程密着している。
それだけで、トクンと心臓が騒ぎ始める。




ポンポンと頭を撫でられ、恥ずかしくなる。







「綾、俺の気持ちはどこに置いてきちゃったの?」
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