それでも私は人斬りだった。


……ーーー。


私は5人の幕府の者たちに囲まれていた。


圧倒的に不利な状況に、
私は依然として冷静だった。


最近では、いつものことだ。

彼らは、必ず一斉に斬りかかってくる。


その瞬間、私はそれを上回るスピードでまとめて斬り殺す。


ただそれだけ。



血が勢いよく吹き出し、私の服を赤く染めた。


人を斬ることは、あまり気持ちの良いものではない。

人を斬った後は必ず、心に大きな穴が空いてしまったような気持ちになる。



それに、全く知らない人でも、その人にはその人の大切な家族があって、私はその家族から光を奪ってるのだ。



でも、これは命の奪い合い。刀を抜いた以上、しょうがないこと。


‘情けをかけるな。少しでも戦場で敵を同情したら、お前の命はない。’


そう、桂先生には何度も教わった。


だから、私は心を‘無’にして人を斬っている。




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