M√5

私の中で、将人は『完璧』なイメージがあった。


いつもどこか余裕があって、人のために行動できて。



……でも将人だって、私と同じ『こども』なんだ。



ポタ、ポタと、ギターの上の水玉模様がどんどん増える。


……『男の子』が泣くのを初めて見た。



「……ごめん。

 こんなことしてる場合じゃないってのは、分かってるんだけど……」



じわり、と私の視界も滲む。


悔しさ、怒り、悲しさ、辛さ……いろんなものが重なって、息苦しい。



気がつけば、私の頬にも涙が流れていた。


見れば、深樹斗も。


平静に見える倫生も、目が赤くなっている。

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