M√5
「おはよう、七瀬さん。気分はどう?」
ベッドの軋む音で気づいたのだろう、医務の佐伯先生が顔を覗かせてきた。
それで見えたパソコンの画面は、リバーシを表示していた。
黒、白の枚数はほぼ互角で、板の半分程度が埋まっている。
「……おはようございます。
今……何時ですか? 授業は……」
キョロキョロと見回すが、時計が遠くてぼんやりとしか見えない。
「今、4時半よ。もうすぐ帰りのHRが終わるわ」
「……帰り!?」
驚いたせいで、つい大きな声を出してしまう。
幸い、私と先生以外に人はいないみたいだった。
先生はそれで、私が割と元気だと分かったのか、椅子に座ってリバーシを再開させる。
ベッドと机で会話が続行される。