M√5

「お腹空いてない? 先生たちに内緒で、パンあげよっか」


お昼ご飯を食べていない私を気遣って、先生がそう言ってくれた。


それと同時に、パソコン上で黒い石が白い石を何枚もひっくり返す。



「……もらいます。あの私、何でここに……」


質問を遮って、メロンパンが飛んできた。


腕と胸を使ってキャッチする。


「七瀬さん、一時間目始まる前から、死んだように眠ってたんですって。
 一時間目の数学の先生が、何回起こしても揺すぶっても起きないから、心配して」


メロンパンを噛じりながら話を聞く。


「隣の席の男の子が、随分疲れてるみたいだったって言うから。
 医務室で寝かせようって話になったの」


「……それで私は、8時間近く学校で熟睡してた──────ってことですか」


あまりに信じられない。


そもそも夜、しっかり寝たのに。


メロンパンの残りが少なくなったので袋から出して両手で持つと、また黒い石が何枚もひっくり返していた。

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