M√5

舞台から静かに降りる私たち。


あんなにいた人が、今はもう数人しかいない。


家庭科部の子達と、佐伯先生、杉浦のみ。


その小さい拍手が、かえって私の心を抉った。



静かな控え室で、誰も喋らずに着替える。


破れてしまったスカートをこれ以上傷つけないよう、そっと鞄にしまう。



「……切られてる」


数分ぶりの沈黙を破ったのは、将人だった。


ギターを大切そうに抱えている。



「コードが抜けたわけでもない。引っ張ってちぎれた訳でもない。
 誰かに刃物で切られてる」


「え……!?」


……事故じゃ、ないってこと……!?

< 97 / 154 >

この作品をシェア

pagetop