好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
懐かしくて…愛しくて、声が聞きたくて、笑顔が見たくてたまらなかった育の顔が目の前にある…



「待ってた…由奈が帰って来るのを…」



私は育の顔に手を添えた…

本物…だ…


『……』



言葉が出ない…



「……ごめん…」



私は瞬きも惜しく感じられ大粒の涙もポロポロと流れたがそれでも構わなかった。




「……り…二人だけになれる所行こ…」



育が私の手を握りしめて言った。



私も頷く…




『うん……でも…何処に?』



育は何処かに指差した。



「あっち……」



『…へっ?あっちってどっち?』
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