賭けで動く恋

モデルって何でこんな私なんかが……。

「私、冗談に付き合う程暇じゃないので」

眉間にシワを寄せてドアを閉めようとした時、私の手に手を重ねてドアが閉められないようにした神谷さん。

重ねた手を滑らせて私の手首を痛くない程度に、でも抗えない強さで握った神谷さんはいきなり自分の方に私を引き寄せた。

「キャっ」

神谷さんの腕の中に閉じ込められ、自分の物ではないほのかに甘い香りと掴まれてない手がついた神谷さんの硬い胸元に頭がクラクラして顔が火照る。

「な、何する
「冗談でわざわざ引っ越すと思いますか?」

空いている方の手が顎に掛かって上を向かされる。

口と口が触れ合いそうな距離で動いた神谷さんの唇は、からかうのはやめて、と言おうとした私を押さえ込んで私の耳朶を食んだ。
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