賭けで動く恋
「はい。
日比野さん、この紙にあみだくじを作ってもらえますか?」
神谷さんに離してもらって電話機の横にあるメモ帳から1枚取ってペンと一緒に日比野さんに渡して説明する。
「2本のあみだくじにはそれぞれ〇とXを書いてもらって私が選んだのが〇だったらモデルをしましょう。Xだったら諦めて下さい」
私の説明に納得して頷く日比野さん。
「成る程。淳、それでいいか?」
「いいですよ」
神谷さんも頷いたので、私と神谷さんは後ろを向いて日比野さんが手早くくじを作る。
「出来たぞ。どんな結果でも恨みっこ無しだからな」
お互い頷いて、私は少し悩んで左を選んだ。
くじをたどった先はーーー
「………〇ですね」
ポツリと呟いた私の横で神谷さんが小さくガッツポーズしたのが目に入って何とも言えない気持ちになった。
そこまで喜ぶ理由が分からない。
1つため息をついて肩をすくめた。