賭けで動く恋
「何とも思ってない人の身体に触れたり、唇を落としたりすると思いますか?」
「でも…だって……私の事全然知らないじゃないですか。
それに私なんかよりもっと淳さんに相応しい人がいるでしょう」
「相応しいとは?」
わざわざ私に相応しい人を言わせるなんて案外酷い人。
首を傾げる動きに淳さんの豊かな黒髪がサラサラと着物の上を滑るのを見ながら苦く笑った。
「淳さん程の人だったら私みたいなスタイルの悪い何の取り柄もない女より、頼りになる美人な人や護ってあげたくなるような可愛い人がお似合い
ですよ、と言う前に肩が押されて一瞬息が詰まった。
「私は『卑下するのは止めなさい』と言ったでしょう」
私を押し倒して上から見下ろす淳さんの顔には表情が無かった。
「淳……さん?」
女の中でも力の強い方に入る私が全然抵抗出来ないなんて、これが男というものなの?
自然と震え出す私に淳さんはキス出来そうな程顔を近づけた。