賭けで動く恋

「取り敢えず、その長襦袢を着せたいのは分かりました。だけど何で貴方が着替えさせようとするんですか。

それにさっき『素肌に長襦袢だけ』って言いました?」

少し睨み付ける私を気にする様子もなく口をゆるませる淳さんは首を横に倒した。

「愛してる女性の身体に触れたいと思うのは自然の摂理でしょう?着替えさせながら少々堪能させてもらおうかと。一応恋人なるまで最後の一線は守りますよ。

ですがまぁ、嫌われたくはないので今日はご自分で着替えていたたきましょう。

最初の絵は、長襦袢を軽く羽織っただけの後ろ姿が描きたいのでそれを着て下さいね。

5分経ったら戻ってきますので」

私に桜色の長襦袢を渡した淳さんはそう言って部屋を出ていった。

襖が小さく音をたてて閉じられた時、私は力が抜けて座り込んで呆然と長襦袢に視線を落とした。

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