賭けで動く恋

『愛してる女性の身体に触れたいと思うのは自然の摂理』と言われても、恋をしたことの無い私にはいまいち理解出来ない。

第一に淳さんが私に好意を持ってるというのも信じられないのに『触れたい』と言われても……。

出口の無い迷路で考えこんでいると、襖越しに淳さんの声がした。

「恵実さん、着替え終わりました?」

「!ぁ、まだ…です…。あの本当に長襦袢だけじゃないと駄目ですか?」

段々小さくなる私の言葉が終わる頃、襖が滑らかにすべって襷掛けした淳さんが入ってきた。

「そんなに嫌ですか?」

座り込んむ私に合わせて目の前でしゃがんだ淳さんに首を縦に振る。

「当たり前じゃないですか。
いくら後ろ姿とは言え襦袢1枚で好きでもない男性の前にいるなんて嫌に決まってます」

私の言葉に刹那、淳さんが眉を寄せて悲しそうな顔になった気がして口を噤(つぐ)んだ。
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