賭けで動く恋

「どう……して…」

「腕だけじゃない。一昨年の11月の事も知ってます」

『一昨年の11月』は出来れば自分でも忘れてしまいたい過去。

知ってる人は片手で足りるくらいの人しかいないのに、どうして彼女が知っているの?

言葉を無くしてふらつく私に彼女は容赦無く囁く。

「この事、兄さんが知ったらどう思うでしょうかねぇ。
ね、加賀さん」

「ぁ……」

知られたくない、淳さんには知られたくない!!

勢いよく首を横に振る私に

「大丈夫。貴女がさっき言った通り兄さんに2度と近づかなければ言ったりしませんから。
さようなら加賀さん」

そう言った彼女の声は私にとって酷な事を言ってるのに、何故か淳さんが私に好意を告げる時の声に似てる気がした。
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