賭けで動く恋

「あれで死ねないのは分かってたし、たぶん本当に死にたいとは思ってなかった。でも突発的に手には乗りきらない錠剤を何回かに分けて口にしてた。

はっきりと自分の意識を取り戻したのは次の日で、母に泣かれました。

父の葬式でも泣かなかった母の涙を見て、私要らなくないんだとやっと思えました。

後々聞いた話ではパートから母が帰ってきた時には胃洗浄も効果がないって知り合いに言われたらしくてその知り合いと2人がかりで幻覚を見てる私を見張ってたそうです。

それから1週間した頃に大量摂取の副作用で5日程身体が動かなくて寝たきりになりました」

目を開けて顔を上げた先にいる淳さんは何の表情も浮かべてなくて、私のこんな話しを聞いてどう思ってるのか全く分からなかった。

「この事があってから外で働かずにカウンセリングに専念する事にしました。とてもじゃないけど人に会える精神状態じゃなくて。
今でも2週間毎に通院して安定剤を飲んでいます。

………まだ、私が好きだと言えますか?」
< 48 / 75 >

この作品をシェア

pagetop